製造加工便利帳 vol.6 『サプリのGMP義務化とは? 対象となる機能性表示食品の範囲・これまでとの違いを解説』
2026年10月28日掲載

2026年9月1日より、サプリメントを含む一部の機能性表示食品に対し、GMP(適正製造規範)に基づく製造・品質管理が求められるようになりました。本記事では、GMP義務化によって何が変わったのか、GMP義務化の背景、対象範囲や届出者に求められること、GMP義務化に関するよくある疑問などについてわかりやすく解説します。
・2026年9月1日から何が変わったのか
2026年9月1日から、機能性表示食品のうち「天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」について、GMP基準に準拠した製造・加工が求められるようになりました。
GMP基準を遵守する責務を負うのは、機能性表示食品の届出者です。つまり製造をOEMメーカーや工場に委託している場合でも、届出者側である委託元ブランドは委託先がGMPを遵守し、適切な製造・加工が行われているかを確認・管理する必要があります。
・GMP義務化の前と後で何が違う?
GMP義務化により、対象となる機能性表示食品は、製造・加工の管理方法がこれまで以上に明確になりました。
| 比較項目 |
義務化前 |
義務化後 |
| 管理基準の位置付け |
法令上のGMP基準の遵守義務はなし(指針・推奨レベル) |
法令上の遵守事項として、対象製品(機能性表示食品・サプリ形状等)の製造・加工にGMP基準の適用が義務化 |
| 工場の品質管理 |
各施設の管理体制に基づいて実施 |
GMP基準に準拠した製造・品質管理が必要 |
| 報告・手続き |
GMPに関する報告などは不要 |
届出者は年1回、消費者庁へ報告が必要 |
| GMPを遵守していない場合 |
GMPに関する法令上の措置はなし |
食品表示法に基づき、機能性表示食品と表示できなくなる等の措置の対象になる |
なお、2026年8月31日までに製造・加工された製品については経過措置が適用されるため、同日以前に製造された在庫品を2026年9月1日以降も販売し続けること自体は法令上問題ありません。
・GMP義務化の背景
2024年、サプリメントによる健康被害事案が公表されました。
それまで、機能性表示食品は国の審査を経ない届出制をとっており、GMPについての法的要件は定められていませんでした。この事案を受けて制度が見直され、2024年9月1日施行の改正食品表示基準で、健康被害情報の提供義務化とGMP要件が規定されました。このうちGMP要件は、2年間の経過措置を経て、2026年9月1日に完全施行となっています。
なお、機能性表示食品以外のいわゆる健康食品についても、制度のあり方について検討が進められています。ただし、今回のGMP義務化と、今後検討されているサプリメント全体の規制は分けて考える必要があります。
・GMPとは
GMPとは「Good Manufacturing Practice(適正製造規範)」の略で、医薬品や健康食品などの原材料の受け入れから製造、品質管理、出荷までのすべての工程において、製品の品質を一定に保つための仕組みです。製造手順や品質管理に関する基準書・手順書の整備、製造記録や試験検査の記録の適切な管理、設備や製造工程の変更管理、自己点検なども管理項目に含まれます。
GMPについて詳しくは、製造加工便利帳 vol.2『GMPとは?目的やメリットなど基礎知識を解説』をご覧ください。
・健康食品GMP基準による徹底した品質管理を行う富士宮通運
富士宮通運は、2018年2月に公益財団法人 日本健康・栄養食品協会(日健栄協/JHNFA)のGMP認証を取得しました。その後も毎年の実地調査を受けており、認証の維持に継続して取り組んでいます。
日健栄協のGMPガイドラインは定期的に改訂されており、2025年には大きな改訂が行われました。富士宮通運でもガイドラインの改訂に合わせて社内のGMP基準を見直し、常に最新の状態にアップデートしています。
また、ガイドラインで義務付けられているわけではありませんが、富士宮通運ではGMP管理の実態を把握するため、定期的に衛生管理に関する自己点検も実施しています。工場内の環境測定(浮遊粒子数・浮遊菌数・落下菌数)を3カ月に1度行い、必要に応じて対策を講じています。
食品衛生管理に欠かせないHACCP(ハサップ)やアレルゲンに関するご相談にも、GMP基準に基づいて対応しています。お困りごとがあればまずはお気軽にご相談ください。
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ここからは、サプリメントのGMP義務化に関するよくある疑問にお答えします。
Q. すべてのサプリメントがGMP義務化の対象ですか?
A. いいえ。2026年9月に完全施行されたGMP要件では、「天然抽出物等を原材料とする、錠剤、カプセル剤等食品」が対象です。
ただし、機能性表示のない、いわゆる健康食品については、今回のGMP義務化の対象ではありません。例えばグミやタブレットなど、サプリメントと形状が似ていても風味を楽しむ前提の一般的な加工食品については、今回の対象範囲とは区別して考える必要があります。
ただし、これらの食品も将来的には義務化の対象になる可能性があります。
Q. 民間のGMP認証は必ず取得しなければならないのですか?
A. いいえ。今回の改正で求められているのは、民間団体が発行するGMP認証の取得ではなく、対象となる製品についてGMPのガイドラインに基づいた製造・品質管理が適切に行われているかどうかです。
GMPのガイドラインでは、製造記録の管理や標準作業手順書(SOP)の整備、異物混入の防止、品質試験など、製造工程を適切に管理するための仕組みが求められています。GMP認証を取得していない工場であっても、GMPガイドラインと同等の管理が行われていることが客観的に証明できるのであれば、認証自体は必要ありません。
一方で、第三者機関によるGMP認証を取得していることは、GMPに基づく管理体制を客観的に外部に証明しやすくなります。
富士宮通運では、日健栄協のGMPおよび、化粧品分野の国際規格であるISO 22716(化粧品GMP)の認証も取得しており、これらの管理体制が整った製造後工程の委託先として評価いただいています。
Q. 「GMP準拠」と「GMP認証の取得」は何が違うのですか?
A. 「GMP準拠」は、GMPの基準に沿って製造・品質管理を行っていること自体を指します。「GMP認証の取得」は、第三者機関によりGMPに準拠していることが証明されていることを指します。
今回の改正では、実態としてGMPに準拠した運用がなされているのであれば、GMP認証を取得していない工場での製造でも問題ありません。
富士宮通運では日健栄協GMPの認証を取得しています。GMPに準拠した運用に加え、定期的な自己点検なども実施しています。認証取得後も定期的に社内の管理状況を確認し、必要に応じて見直すことで、継続的な品質管理を行っています。
Q. 製造はすべてOEMメーカーに委託しています。販売メーカー・ブランド側は特に何もしなくても大丈夫ですか?
A. いいえ。製造をOEMメーカーに委託している場合でも、機能性表示食品(サプリメント)の届出者にあたる販売メーカー・ブランド側は、OEMメーカーや工場などの製造・加工施設でGMPに準拠した管理が行われていることを確認する責務があります。
届出者である販売メーカー・ブランドは、「委託先がGMP基準に基づき適切に製造・管理を行っているか」をしっかり把握したうえで、年1回「自己点検等報告」を提出する義務があります。
OEMメーカーに製造を任せているからといって、品質管理を委託先任せにすることはできません。販売メーカー・ブランド側は、実態として委託先でどのような管理が行われているのかを確認・把握しておく必要があります。
確認方法には、届出者自身が委託先に赴いて直接点検する、委託先に自己点検を依頼し結果を確認する、第三者に点検を依頼して結果を確認するなどが考えられます。
富士宮通運では、常時10社以上のOEMメーカーとお取引をしており、各社のGMP水準を満たす品質管理を行っています。そのため、OEMメーカー側で製造された製品の充填や包装などの製造後工程を、OEMメーカーと同じ品質で請け負うことができます。
Q. 既存商品の製造工場がGMP基準を満たしていませんでした。新しい委託先を探す際にどんなことに注意すればよいですか?
A. GMPに準拠しているかに加えて、実態としてどのような運用がなされているか、希望する製品の形状や工程がGMPに対応できるか、監査や情報開示に協力的かなどをチェックしましょう。
「GMPに準拠している」という工場であっても、すべての製品形状や工程に対応しているとは限りません。そのため、GMPの対応状況だけで委託先を決めるのではなく、自社が製造したい製品や任せたい工程とも照らし合わせて検討しましょう。
また、機能性表示食品の場合、届出者側には委託先の管理状況を確認する責務があります。品質仕様書などの必要な情報を確認できるか、工場監査を受け入れているかといった点も、委託先選びの判断材料になります。
富士宮通運では、錠剤、ソフトカプセル、ハードカプセルの包装工程で日健栄協GMP認証を取得しています。オンラインで工場内の様子を確認できる
バーチャル工場見学も用意していますので、ぜひご覧ください。
また、富士宮通運に委託を検討されているお客様や、すでに委託されているお客様は直接の工場見学や監査も受け入れています。ご希望の方は担当営業へご連絡ください。
Q. 海外のOEMメーカーで製造した輸入サプリメントも、日本のGMP要件を満たす必要がありますか?
A. はい。機能性表示食品として日本で届け出る場合は、日本のGMP要件を満たさなければなりません。
海外のOEMメーカーが現地国のGMP認証を取得していたとしても、その基準や要求事項が日本と同じとは限りません。日本で機能性表示食品として販売する場合には、日本の工場で製造する際と同じように日本のGMP要件を満たしているかを必ず確認しましょう。
Q. 製品を海外に輸出する場合、日本のGMP要件を満たしていれば大丈夫ですか?
A. いいえ。日本の要件だけでなく、輸出先となる国や地域のGMP基準・規制も確認する必要があります。
食品やサプリメントに求められる品質管理や表示などの条件は国により異なります。そのため、日本でGMPに準拠した品質管理を行っているからといって、輸出先の要件をすべて満たせるとは限りません。
一方、日本で取得したGMP認証が、輸出先との取引において品質管理体制を示す資料として活用されるケースもあります。例えばサプリメントの場合、GMP認証の証明書のコピーを提出することで、製造時の規格・基準を証明しやすくなり、スムーズな取引が実現することがあります。ただし、医薬品の場合はより高い管理基準が求められることも多いため注意が必要です。
富士宮通運では、海外輸出向け製品についても、製造後の加工や包装などの後工程を請け負っています。まずはお気軽にご相談ください。
Q. パッケージやWEBサイトに「GMP認証を取得した工場で製造した」などのマークを入れる必要はありますか?
A. いいえ。パッケージ等へGMPに関する記載をすることは不要です。
任意でGMP認証を取得していることを紹介するのは問題ありませんが、実情と記載内容が一致しているか、誤解を招く表現になっていないかなど、食品表示法、健康増進法、景品表示法、消費者庁ガイドラインなどと照らし合わせ、表示ルールを守る必要があります。
例えば「GMP認定工場で製造した」と表示する場合、工場全体があらゆるGMP認証を取得しているかのような、実情と異なる受け取られ方をされそうな表現になっていないかなど、念入りに確認しましょう。
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2026年9月1日から、機能性表示食品のうち天然抽出物等を原材料とする錠剤・カプセル剤等食品について、GMPに準拠した製造・加工が求められるようになりました。GMPへの準拠を確保する責任は届出者にあり、製造を委託している場合でも委託先の管理体制を確認する必要があります。また、年1回の自己点検等報告の提出も遵守事項となっています。
制度の変更に伴い、新たな委託先をお探しのお客様も増えています。富士宮通運では、GMPに準拠した製造後工程を請け負っています。人手のかかる充填・包装などの工程を富士宮通運に委託することで、OEMメーカー側は原料調合・バルク製造などの専門工程に集中することができます。一部の工程のみをOEMメーカーと同品質で対応することも可能です。
GMPに対応した委託先の見直しや製造後工程など、ぜひ富士宮通運にお気軽にご相談ください。
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